こんにちは。ピアノとリトミックの教室、小さな音楽会です。

今回は年末の風物詩ベートヴェンの「よろこびの歌」について

街にはクリスマスのイルミネーションが煌めいています。12月になりますと日本では何末の風物詩として各地でベートヴェンの「よろこびの歌(歓喜の歌)」を耳にします。「よろこびの歌」はもともと交響曲第九番の第4楽章の合唱曲です。
私は若かりし頃、声楽科の友人のお付き合いで、音大生のオーケストラや地域の合唱団の講演によく行きました。
大体交響曲と名の付く作品は長いのですが、「第九」は四楽章からなる壮大な作品で、途中休憩を挟み演奏されますが1時間半以上の長い曲で、第四楽章の合唱団の登場までが長いなと思いながら聴いていた記憶があります。(ベートーヴェン様ごめんなさい)

欧米では12月に「第九」が演奏される風習はほとんどありません。クリスマスイブを舞台にしたチャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」や、キリスト教の宗教的題材をオーケストラ伴奏で歌うヘンデルの「メサイア」が主流です。
個人的にはチェンバロが入っている(やはり鍵盤楽器びいき)「メサイア」が好きです。
「くるみ割り人形」もチャイコフスキーの音楽とバレエの華やかな舞台で楽しいです。

 

では、なぜ日本は「第九」なのでしょう?
日本で初めて「第九」のコンサートを行ったのは1947年、戦後間もないころです。
新交響楽団(現在のNHK交響楽団)が、12月コンサートで演奏され絶賛されたことが、年末に「第九」を演奏する習慣へと受け継がれていくきっかけになったと言われています。
また、オーケストラのために「第九」を歌うアルバイト募集に多くの人が殺到したそうです。
きっと合唱団員には年末の良い臨時収入になったことでしょう。
また、合唱が入るとチケットもよく売れるとあって、オーケストラの団員さん方にもありがたい訳であります。

交響曲に歌を入れるのはタブーだった
それまで交響曲はオペラとは違い、言葉は用いらず楽器だけで編成され、演奏されるのがセオリーとされていました。交響曲に歌が入るのはタブーとされていたのですしかしベートーヴェンには言葉でしか表現できない思想があったのです。

「よろこびの歌」は本来、“自由”を喜び“

平等”を歌う歌詞だった

「よろこびの歌」は、もともとドイツの詩人、シラーが書いた『自由賛歌(Ode An die Freiheit)』が元になっています。政治的な圧力があり、これを書き直した
『歓喜に寄せて(An die Freude)』がベートーヴェンの心に刺さり、歌詞として書き直したものを交響曲に入れたのです。

日本も戦後のまだ混乱期だった当時、年末にドラマティックな「歓喜の歌」を聴いて元気をもらい、新年への活力とする人も多かったと思います。

「よろこびの歌」をオーケストラ伴奏で大合唱するベートヴェンの「第九」。ぜひともコンサートホールで生の音でお聴きになることをおススメいたします。きっと鳥肌が立ちます。
私も今更ながらですが、プロのオーケストラや合唱団の講演を近いうちに行きたいと思っております。

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