ポップス楽譜の選び方について
ポップスをカッコよく弾きたい!
生徒さんが弾きたがるポップスは、ピアノのオリジナル曲ではなく、大体がボーカル曲です。
ポップスでピアノ楽譜に出版されているものは、ボーカル(メロディー)とそれ以外のバックサウンド(ギーターやドラム、ストリングスなど)をピアノで一緒に弾けるようにアレンジされているものになります。
ではポップスとクラシック音楽の絶対的な違いは何でしょう?
それはリズム楽器の有無になります。
ポップスにはドラムやパーカッションがサウンドに入っていることが多く、リズムを刻んでテンポを一定にキープして演奏されます。
それに比べてクラシックにはリズムを刻む楽器は無くテンポに揺れがあります。
揺れは作曲家の指示の場合もありますし(リットやアッチェレなど)
演奏家の判断でそうする場合もあります。
それではポップスのアレンジ曲を見てみましょう。
クラシックではあまり見ない複雑なリズムが多いことに気づくと思います。
それは例えばボーカルやメロディーパートなら、ニュアンス(こぶしやビブラートなど)も音符に書き換えているからになります。また歌詞のリズムを音符におきかえるのも(最近の曲はラップ調だったりもするので)クラシックではあまり見ないリズムです。
さらに伴奏パートは和声(ハーモーニー)だけでなく、ポップスに必須のリズム楽器の役割も加味するため複雑になってしまうわけです。
しかし音が多いと難しくなりますのでアレンジをして音を減らし、レベル別に簡単にしているわけです。
キー(調)もフラットやシャープの多いものであれば、調号の少ないキーに変えたり、和音もベース音や簡単な重音にしています。
和声(ハーモニー)についてはどうでしょう?
ポップスは借用和音やテンションコードなど、色彩感のある和音を多く使っています。それらを簡単な重音に置き換えますとかえってわかりづらい場合もあり、初中級レベルの楽譜でも弾きにくいことが多々あります。
和声だけでもアレンジのアレンジになり分かりづらい上に、ドラムなどのリズムも加わるのでポップスの場合は、初中級の楽譜でも簡単とは言えません。
ではポップスをピアノで弾く場合はどうしたらよいでしょうか?
一番はメロディーを耳コピして、伴奏を自分でつけるのが良いでしょう。
しかしメロディーは耳コピできても…伴奏付けは…ですよね。
そういう方が多くいらっしゃるので、ポップス楽譜が多く出版されているわけです。
結論
生徒さんがポップスを希望した時は、普段練習として弾いている曲より、簡単なレベルの楽譜をチョイスしています。
最近は、出版されてる楽譜を演奏している動画も多く、音源として聴いてもらっています。音源を聴くと、かっこいいアレンジを選びたくなりますが、そこは楽譜と照らし合わせて易しいものを選びます。
それは上級アレンジを選んでも、結局は弾きにくくリタイアしてしまうことが多いからです。
私の場合、ポップス作品を選ぶ目的は「ピアノを楽しむ事」で、テクニック向上はあまり目的にしていません。
より楽しく、カッコよく弾いていただくためにも、シンプルで易しめのアレンジの楽譜をお選びするのをお勧めしています。
ステキに弾けて、さらに余裕が出来たら、自分で音や和音をプラスしても楽しいですね。
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